お墓の豆知識
水塔婆立て
水塔婆を立てる目的?
水塔婆立ては、文字通り墓石に水塔婆を立てるために使う道具です。
一般に水塔婆は墓石棹石(一番上の石)の前に立てています。
水塔婆は、戒名を書いて川に流したり、水溜めにつける、水をかけるなど、お供養の主旨や地域によって使われ方は様々です。
お施餓鬼という仏教行事にも使われますが、餓鬼道に堕ちたものに水を施すために使われます。
お墓でのお供養でも、宗派によっては水塔婆を用います。
お墓での水塔婆は、おそらく埋葬された方々にお水を施す目的(ストローのようなイメージ)で用いられているのではないかと思いますが、寺院や地域によって様々な解釈があって当然だと思います。
お墓参りや法要では
お墓参りをされている人に、水塔婆を立てる理由を直接尋ねてみたことがあります。
「水塔婆を立てておくと、お墓参りに来たことが親戚にもわかりますから。笑」と仰っていましたが、他に「お寺に言われたから・・・」など、最近ではこのような理由で水塔婆を立てている人が多いのかもしれません。
老婆心で「水塔婆には水をかけた方が良いかも知れませんよ」とお伝えしたところ、「文字がにじむし、板が反るから・・・」という理由で、お掃除が終わった墓石には真っ白な水塔婆が誇らしげに供えられていました。
水塔婆を立てるキッカケはどうであれ、故人を思う気持ちから墓石に水塔婆を立てておられることには違いありません。
和やかな雰囲気でお墓参りをされていて「理屈ではないんだな」と、あらためて実感いたしました。
浄土宗寺院の境内墓地で比較的多く見かける水塔婆ですが、公園墓地の場合でも納骨の法要に際に水塔婆をご用意してくださるご住職もおられます。
法要の前には、ご住職に水塔婆立てが必要かを確認をしておくと安心です。
水塔婆立てを選ぶ際の注意事項
京都型墓石では、お亡くなりの方々にお水を届けることができるように、水塔婆立ての足元に水溜めがあります。
水塔婆のサイズの規格ですが、墓石の棹石(一番上の石)の幅に合ったものを選びます。
8寸墓石の場合は8寸用水塔婆立てを使いますが、棹石の幅にあった色々なサイズの水塔婆立てが用意されています。
最近では上台(上から2番目の石)に水切り(水垂れ)加工がされていて、少しだけ斜めにカットされ水が流れやすいように傾斜がついている墓石が主流になってきました。
従来型の水塔婆立てでは、上台の上面はフラットであることが前提でしたが、最近では傾斜に対応するためにネジで高さの調整が出来るタイプの水塔婆立てもあります。
また、以前は真鍮製が多かったのですが、最近ではステンレス製が主流です。